どちらもヨーロッパを起源とし、イギリス海軍の防寒用コートとして広く着用され始めたピーコートとダッフル・コート。艦上での寒さに耐えられるよう厚手で重いウールが使用されていて、風向きに合わせて前合わせを左右どちらにも変えられることなど軍服としての共通点も多いようです。日本には、特にダッフル・コート愛好家が多いようで、トラッド、アイビー大好きな母に育てられた私も子供の頃からグローバーオールのダッフルを愛用していました。大学生になって、アメ横で始めてショットのピーコートを買った時は、ちょっと大人になった...
そもそも軍服の上にゆったりと羽織って、フードも帽子の上にそのまま被れるように大きくデザインされているダッフル・コートは、どうしてもちょっと野暮ったい印象になってしまいます。もちろん、それはそれでまたいい味を出して、映画『第3の男』の中のトレヴァー・ハワードの渋いダッフルの着こなしなどはよく話題になります。でも、やはり、濃紺や黒の細身のデザインのピーコートを身に着けた男性の方が、たっぷりしたキャメルなどのダッフル・コートを着た男性より、どことなく垢抜けた感じに見えるのは自然なことでしょう。きっちり...
ちょっと話が横道にそれてしまいますが、大の映画ファンを自称する私は、007シリーズもほとんど全て1度は見ています。わが夫は、全DVDをコレクションとし、ほとんどの名場面の台詞を暗記している、いわゆるボンド狂の1人です。彼らにとっては、やはりショーン・コネリーのボンドが永遠の真の007である訳で、他の5人のボンドに対しては、それぞれ賛否両論があります。個人的には、やはりショーン・コネリーは別格として、2代目のジョージ・レイゼンビー、3代目のロジャー・ムーア、4代目のティモシー・ダルトンまでは、どう...
ピアース・ブロンソンの次のボンドにダニエル・クレイグが選ばれた当初、長年のボンド・ファンの多くが私が主張するのと同様の理由でそのキャスティングを批判し、中には反クレイグ・ボンドの大々的なキャンペーンを展開する人達さえいたほどです。しかし、予想に反して『カシノ・ロワイヤル』は高評価され、興行的にも大成功を収めました。はしゃぐ夫を横目に、醜男のジェームズ・ボンドを大スクリーンの劇場で見るのは耐えられないと、次の『クヮンタム・オブ・ソリス』までは無視を決め込みました。でも、2012年に『スカイフォール...